ホーム > インフォメーション > 公演迫る!マエストロ 阪哲朗に直前インタビュー

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2015年1月11日(日)

1月定期演奏会 特別インタビュー | 阪 哲朗

 

連休明けに予定されている1月定期演奏会。
リハーサルが始まる前に、マエストロ阪 哲朗に今回の公演曲目についてお話を伺いました。



― 『のだめ』効果で、人気がさらに高まったベートーヴェン交響曲第7番について

  「仕事とか、家庭とかがうまくいかない、そういった鬱々としたネガティヴな感情を払拭してくれる不思議な力をもっている交響曲。始めからダンっと始まり、全編を通して各所に様々なリズムが散りばめられている、高揚感のある非常に元気のある曲です。 パワー全開でゆきたい曲ですね!」


― ベートーヴェン交響曲第6番「田園」について

  「とても内省的であり、祈りにつながっていくような曲。この曲は第5番”運命”とセットで作曲されたものなので、拍やフレーズの感じ方に”運命”と共通するポイントを見ることができます。曲中に関しても嵐の場面のような見せ場が随所にある。 僕は一年の大半をドイツで過ごしますが、ドイツと日本では雨の降り方が違います。日本でいう雨はしとしととか、ポツポツって感じでしょう。ドイツは違うんです。
それこそ嵐のようにザーッと降ってぱっとあがってしまう。 同じ曲であってもその土地の気候や国民性によって表現はがらりと変わります。 ベートーヴェンが、日本とは気候も風土も全く異なる土地で作曲した曲を、僕達日本人が日本で演奏する。そこも、今回の演奏会の面白さの一つではないでしょうか。」


― 協奏曲の中でも名曲中の名曲を、日本をリードしてきたチェリスト、ピアニストと共に奏でることについて

  「仲道さんはもともとシューマンが大好きな方ですし、堤さんも大変な巨匠でいらっしゃいますからドヴォルザークのチェロ協奏曲はもう何十回も何百回も演奏されている曲でしょう。ソリストたちの熱演にただ飲み込まれるのではなく、どう音楽上でぶつかっていくか、が勝負ですね。ソリストに従うだけのソリスト任せの指揮は、どうしても演奏のスケールが小さくなっちゃう。それを避けるために、音楽上でソリストと指揮者がガンとぶつかることで生まれる「摩擦熱」が大切なんです。 ずれるかずれないか、崩れるか崩れないか、ギリギリのところをいく。そうしないと面白くないですよね。落ち着いた、ただ「きれいなだけの演奏」なら家でCDでもでも何でもきくことができる。だから、ライヴ感を大切にした「生きた演奏」をしたいと思っています 。」



ドイツのレーゲンスブルク歌劇場の音楽総監督として、1年の大半をドイツのレーゲンスブルクで過ごされているマエストロの生活についても、少し伺いました。


 

― レーゲンスブルクとはどんな街ですか?


  「レーゲンスブルクはバイエルン州に位置する街なんですけど、そこはドイツで唯一のカトリックを信奉している地域です。だからドイツの他の街と祭日も違います。ローマ帝国が作った街なので、イタリア人も多いですし、食べ物が美味しい。戦災にほとんど遭っていないのが幸いして、昔ながらの街並みがきれいに残っています。やはりどこかラテンの雰囲気が混じっているので、北方ドイツと違って、建築に用いられる形であったり、色彩がどこか柔らかいですね。ユネスコの世界遺産にも登録されていますよ。 そして、音楽がより生活と密着していますね。レーゲンスブルクのおじちゃんおばちゃんはオペレッタが好きなので、なんというか、日本で言う寄席のような感じがあります。 この間、嬉しかったことがありましてね。僕が街中を歩いていたとき、自転車に乗っていたオバチャンが突然キキーッと僕の目の前で止まって、『あなた指揮者でしょ!こないだの公演よかったわよ!』って話しかけてきたんですよ。(笑) 人口の違いもあるとは思いますが、音楽の聴き手と送り手の距離の近さ、というのは日本にはないレーゲンスブルクの良さかもしれません。」




インタビューを終えて

 関西ご出身の阪先生。インタビュー中はバリバリの関西弁が飛んでくるのかと思いきや、終始、穏やかで優しい言葉が返ってきました。今回のインタビューのお願いにも快く承諾して下さり、気さくに接して下さいました。

日々、レーゲンスブルク歌劇場の音楽総監督として奮闘される阪先生ですが、プライベートでは野球観戦が趣味だとか。関西のご出身でありつつ、実は大の巨人ファンなのだと仰っていました。


 マエストロ阪哲朗と東京フィルがお届けする名曲の数々、どうぞご期待ください。

                                (インタビュー/広報渉外部 鹿又)




ベートーヴェン、ドヴォルザーク、シューマンの最高傑作を聴く!

限定枚数当日券あり!この機会をお見逃しなく!
S席¥7700 A席¥6200 当日学生券¥1,000


第856回 サントリー定期シリーズ

2015年1月13日(火) 19:00 開演(18:30 開場)
サントリーホール大ホール
指揮:阪 哲朗
チェロ:堤 剛*

ドヴォルザーク/チェロ協奏曲第1番 ロ短調
ベートーヴェン / 交響曲第7番

※当日券は17時半から会場窓口にて販売
(当日学生券を購入の場合は必ず学生証をご提示下さい)


第90回 東京オペラシティ定期シリーズ

2015年1月14日(水) 19:00 開演(18:30 開場)
東京オペラシティコンサートホール
指揮:阪 哲朗
チェロ:堤 剛*

ドヴォルザーク/チェロ協奏曲第1番 ロ短調
ベートーヴェン / 交響曲第7番

※当日券は17時半から会場窓口にて販売
(当日学生券を購入の場合は必ず学生証をご提示下さい)


第857回 オーチャード定期演奏会

2015年1月18日(日) 15:00 開演(14:30 開場)
Bunkamura オーチャードホール
指揮:阪 哲朗
ピアノ:仲道 郁代*

シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調
ベートーヴェン / 交響曲第6番 ヘ長調『田園』

※当日券は13時半から会場窓口にて販売
(当日学生券を購入の場合は必ず学生証をご提示下さい)

公演カレンダー

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