ホーム > インフォメーション > 日本イタリア国交150周年 7月、10月定期演奏会



 2016年は、1866年に日本イタリア修好通商条約が結ばれてちょうど150年。 今シーズン東京フィルでは、日本とイタリアをつなぐ「ジャポニズム・オペラ」(日本をテーマに作曲されたオペラ)をテーマに2つの作品を演奏会形式で取り上げています。 7月には、マエストロ・チョン・ミョンフン指揮のもと、ジャポニズム・オペラの代表格プッチーニ 『蝶々夫人』を演奏会形式で取り上げ、きわめて高い評価をいただきました。



7月定期チョン・ミョンフン指揮『蝶々夫人』より
©上野隆文

 去る7月22日・24日の東京フィル定期演奏会では、マエストロ・チョン・ミョンフンのもと、「東京フィルが贈るジャポニズム・オペラ第1弾」としてプッチーニのオペラ『蝶々夫人』を演奏会形式で上演しました。
 マエストロ・チョン・ミョンフンはじめ、すべてのキャストとオーケストラが入魂の演奏を繰り広げた本公演は、お客様からの大きな拍手喝采やブラヴォーの声に加え、「感銘深い時間が紡ぎ出された」「オペラに必要なものは何か、という問いの答えが、ここにあった」(月刊「音楽の友」)/「強弱のメリハリのきいたスケールの大きな演奏」「ソリスト、オーケストラ、合唱も見事であった」(Web批評「メルキュール・デザール」)と、音楽専門メディアでも高く評価いただきました。
 10月の定期演奏会は、これに続くジャポニズム・オペラ第2弾。アンドレア・バッティストーニの指揮でマスカーニのオペラ『イリス(あやめ)』(初演1898年)を取り上げます。


ジャポニズム・オペラ『蝶々夫人』と『イリス(あやめ)』の誕生

 19世紀後半、ヨーロッパで起こった「ジャポニズム(日本趣味)」ブームは、多くの芸術家にインスピレーションを与え、 作品として実を結びました。『蝶々夫人』やマスカーニのオペラ『イリス(あやめ)』もその一つ。『蝶々夫人』と同じ台本作家ルイージ・イッリカ(1847-1906)が脚本を手掛け、初演は大変な評判を呼んだそうです。『蝶々夫人』よりも先に生まれた『イリス』、どんな物語なのでしょう。


オペラ『イリス(あやめ)』の物語

第1幕 イリスは盲目の父親と二人で暮らす少女。イリスはある日、人形芝居の一座とともに現れた男たち“大阪”と“京都”の策略に乗せられ“ヨシワラ”の遊郭へ連れ去られます。置き去りにされたイリスの父チェーコは悲しみ、娘を追おうと決意します。



第2幕 遊郭で我に帰ったイリス。大阪と京都ふたりの邪念におびえ、情欲に翻弄されて死んだ娘を歌った「まだ小さな子供だった頃」(別名:「蛸のアリア」)を歌い故郷を思って泣きます。そこへ父チェーコが娘を探して現れ、「汚れきった娘」とイリスを罵倒。イリスは絶望して窓から身を投げます。



第3幕 イリスが堕ちた場所は富士の麓の谷底。横たわるイリスの着物を奪おうとする屑拾い、それぞれ身勝手な言い分を言い立てる大阪、京都、父チェーコの姿が浮かんでは消える中、イリスは故郷を思いながら死んでゆきます。あたりを太陽の光が照らし「太陽讃歌」が荘厳に響くなか、イリス(あやめ)の花が咲き誇り彼女の身体を包むのでした。


プッチーニ/歌劇『蝶々夫人』

指揮:チョン・ミョンフン

第882回サントリー定期シリーズ

7月22日(金) 19:00 開演
サントリーホール大ホール 

7月24日(日) 15:00 開演
Bunkamuraオーチャードホール

指揮:チョン・ミョンフン
蝶々夫人(ソプラノ):ヴィットリア・イェオ
ピンカートン(テノール):ヴィンチェンツォ・コスタンツォ
シャープレス(バリトン):甲斐 栄次郎
スズキ(メゾ・ソプラノ):山下 牧子
新国立劇場合唱団 他

プッチーニ/歌劇『蝶々夫人』
       (演奏会形式・字幕付)

マスカーニ/歌劇『イリス(あやめ)

指揮・演出:アンドレア・バッティストーニ

マスカーニ/歌劇『イリス』(演奏会形式・字幕付)

10月16日(日) 15:00 開演
Bunkamura オーチャードホール

10月20日(木) 19:00 開演
サントリーホール

指揮:アンドレア・バッティストーニ
チェーコ(バス):妻屋秀和
イリス(ソプラノ):アマリッリ・ニッツァ
大阪(テノール):フランチェスコ・アニーレ
京都(バリトン):町 英和
ディーア/芸者(ソプラノ):鷲尾 麻衣
くず拾い/行商人(テノール):伊達 英二
新国立劇場合唱団 他

マスカーニ/歌劇『イリス(あやめ)』
           (演奏会形式・字幕付)

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