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インフォメーション

2017年5月16日(火)



小曽根真
小曽根真 ©Yow Kobayashi
 

 ジャズ・ピアニストとして第一線で活躍し、さらに近年はクラシックのレパートリーでも国内外のオーケストラと共演を重ねている小曽根真さん。


 小曽根さんが協奏曲のソリストをつとめると、どのオーケストラも普段と一味違った表情を見せます。アドリブで音楽を創り上げるジャズの感性を生かし、譜面に書かれた音符を、絶妙の間合いとニュアンスにのせて放っていく。自由なカデンツァ部分などは小曽根ワールド全開、どこに連れていかれるかわからない楽しい旅が待っています。その音楽にオーケストラが触発されることで、耳慣れた曲も新鮮な姿でそこに現れるのです。


 小曽根さん曰く、「演奏会は予期せぬことが起きてこそ。一番良くないのは“予想通り”」。ジャズ、クラシック、どの舞台でも用意した音楽をそのまま出すことはなく、今鳴っている音を聴きながら新しいものを創るのが“小曽根流”だそう。


 そんな小曽根さんが、バッティストーニ指揮の2018年3月定期で演奏するのは、フリードリヒ・グルダの「コンチェルト・フォー・マイセルフ」。20世紀の大ピアニストで、クラシックの枠を超えた自由奔放なミュージシャンだったグルダが書いたピアノ協奏曲です。自らジャズも演奏し、音楽をジャンル分けすることを嫌ったグルダらしく、クラシカルな雰囲気で始まった音楽にドラムスやエレキベースが加わり、ジャズ風の音楽、歌う旋律、内部奏法やトーンクラスターを用いた現代音楽風のカデンツァとさまざまな音楽が飛び出す、彼の音楽への考えがそのまま投影されたような作品です。ジャズやロック、ポップスと幅広い音楽に触れる若きマエストロ・バッティストーニがこの曲に挑むにあたり、オーケストラとの掛け合い、アドリブを自在に操ることができる小曽根さんは、最高のパートナーに違いありません。


フリードリヒ・グルダ
クラシックとポピュラー音楽のジャンルを越えて
縦横無尽に活躍したグルダ(1930-2000)。
ピアニストとしてはモーツァルト等でも
名演を残しています
 

 ちなみにグルダが弾き振りするミュンヘン・フィルとの「コンチェルト・フォー・マイセルフ」の映像を観ると、グルダ自身、とにかく楽しそうに弾いているので、こちらもワクワクしてきます(ミュンヘン・フィルの面々の真剣な表情とのギャップがまたおもしろい)。


 CDや動画で予習しつつ、小曽根さんとバッティストーニ&東京フィルだったらどんな演奏になるのか……想像するのもまた一興。とはいえもちろん、“脱・予想通り宣言”の小曽根さんのことですから、膨らんだ想像の上の上を行く演奏を聴かせてくれることでしょう。その音を聴き、バッティストーニ&東京フィルはどんな音楽を返すのか。シーズンの締めくくりとなる公演、刺激的なコンチェルトを聴くことができそうです。




・関連動画:Friedrich Gulda: Concerto for Myself, Sonata concertante for Piano and Orchestra (1988)



◆ Soloist's Profile

小曽根真 Makoto Ozone(ピアノ)

小曽根真
小曽根 真 ©篠山紀信


 

 1983年バークリー音楽大学ジャズ作・編曲科を首席で卒業。同年米CBSと日本人初のレコード専属契約を結び、アルバム「OZONE」で全世界デビュー。2003年にグラミー賞にノミネート。
 以来、ゲイリー・バートン、ブランフォード・マルサリス、パキート・デリベラなど世界的なトッププレイヤーとの共演や、ソロ・ライブ、自身のビッグ・バンド「No Name Horses」を率いるなど、ジャズの最前線で活躍を続けている。
 また、クラシックにも本格的に取り組み、国内外の主要オーケストラと、バーンスタイン、モーツァルト、ラフマニノフ、プロコフィエフなどレパートリーを広げている。2010年には、ショパン生誕200年記念アルバム「ロード・トゥ・ショパン」を発表、全国ツアーを行い、ポーランド政府より「ショパン・パスポート」を授与される。2014年にはニューヨーク・フィルのソリストに抜擢され、韓国、日本、ニューヨーク公演で演奏、他、サンフランシスコ交響楽団とも共演、ジャズ・ミュージシャンとのツアーなど、米国でも躍進を続けている。2016年5月には、チック・コリアとピアノ・デュオツアーを日本全国で展開し大きな話題を集めた。
 ユニバーサルミュージックと専属契約を結び、約40タイトルにのぼるCDをリリース、また、TV番組のサウンドトラックや映画、舞台音楽を手がけるなどマルチな才能で幅広く活躍。


関連リンク
小曽根真 オフィシャルサイト




◆ 過去の連載記事

Vol.1 阪田知樹(渡邊一正指揮 6月定期演奏会 <オーチャード、オペラシティ>)
Vol.2 イム・ジュヒ(チョン・ミョンフン指揮 9月定期演奏会 <オーチャード、オペラシティ>)
Vol.3 小山実稚恵(伊藤翔指揮 12月サントリー定期演奏会)
Vol.4 牛田智大(ミハイル・プレトニョフ指揮 2018年2月定期演奏会)


<ご案内>

高坂はる香(こうさか・はるか/音楽ライター)
大学院にてインドの大道芸人のスラム支援プロジェクトを研究。その後ピアノ専門誌の編集者となり、世界の国際コンクールの取材を重ねる。2011年より、フリーライター・編集者として活動。
http://www.piano-planet.com/

イラスト:沙良志乃



2018年3月定期演奏会 火花散る アンドレア・バッティストーニ&小曽根真

2018年3月定期演奏会
2018年3月7日(水) 19:00開演(開場18:30)
東京オペラシティ コンサートホール

2018年3月9日(金)19:00開演(開場18:30)
サントリーホール

2018年3月11日(日)15:00開演(開場14:30)
Bunkamura オーチャードホール

【出演】指揮:アンドレア・バッティストーニ(東京フィル 首席指揮者)
    ピアノ:小曽根 真*

グルダ/コンチェルト・フォー・マイセルフ*
ラフマニノフ/交響曲第2番


主催:公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
協力:Bunkamura(3/11)


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