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2015年2月25日(水)

「全体を通すスピリットとしては『悲劇的』ではなく、ポジティブなものだと思っています」
|指揮者 チョン・ミョンフン インタビュー


― 今回演奏するマーラー6番については、以前「それまでのロマン派から20世紀の音楽につながっていく転換点の様な音楽で、マーラーの音楽の中でも重要」とお話下さいましたが、この作品の魅力やマエストロのお好きなところをさらに掘り下げて教えていただけますか?


マーラーの交響曲の中でも6番、殊に終楽章では、スケールが格別に大きい。あたかもマーラーが宇宙を探検しに行った様に聴こえます。そしてこれ迄に使われる事のなかった素材を使っている。普通ではない楽器、殊に打楽器、例えばカウベルや最後に出て来るハンマー等です。この曲を聴いていると、彼がそれ迄の伝統にはなかったもの、殊に新たなハーモニーの言語を使おうとしていると感じます。もちろん私は古い人間なので、一番好きなのは3楽章。これは多かれ少なかれ伝統的な音楽です。素晴らしい音楽を聴く時、音楽そのものが素晴らしいのはもちろんですが、私の心に触れるのはそこにこめられた心です。それぞれの音楽に違った気持ちがこめられている。この楽章の心は愛に満ちて、熾烈でありながら惜しみなく寛大な愛。マーラーには緊張感が高く熱い楽章がある一方で、ここでは自然の様々な要素が組み合わされた、とても自然で温かな愛情がある。2楽章は、マーラーのスケルツォ楽章にはよくある様に、おかしな楽章。そして4楽章は把握するのが難しい。始まりは、本当に宇宙への扉を開けるかの様、そこに何が待っているかわからない。正直言って私もこれから見つけようとしているところ。しかし曲全体、特に1楽章は非常に厳しい、だからこそこの曲は時に「悲劇的」と呼ばれるのでしょう。もちろんそれには理由があり、ここには宿命と言える様なテーマが繰り返しでてくる。長調と短調が何度も何度も移り変わる。確かに1楽章と4楽章はそうかもしれないけれど、全体を通すスピリットとしては「悲劇的」ではなく、ポジティブなものだと思っています。



 カウベル            ハンマー

― 久しぶりの東京フィルとの共演はいかがですか?


東京フィルの事はいつも日本の家族の様に思っています。今回日本に来たのもそのためです。
仕事というレベルとは別としても個人的なレベルで東京フィルの事を大切に思っています。楽員達に会えるのは個人的にとても嬉しい。長年一緒に仕事をしてきましたが、彼らは人間としても素晴らしい。私にとってそれはとても大切な事です。もちろんプロとしても非常に高いレベルで、私にとっては日本最高のオーケストラと言いたいです。私達の間には、疑いというものがありません。





チョン・ミョンフン指揮、マーラー交響曲第6番 日本での初演!
S席¥11,300 A席¥9,300 当日学生券¥1,000

第859回サントリー定期シリーズ

2015年2月25日(水) 19:00 開演(18:30 開場)
サントリーホール 大ホール

第91回東京オペラシティ定期シリーズ

2015年2月26日(木) 19:00 開演(18:30 開場)
東京オペラシティ コンサートホール


指揮:チョン・ミョンフン

マーラー/交響曲第6番 曲目解説はこちら


※当日券は17時半から会場窓口にて販売
(当日学生券を購入の場合は必ず学生証をご提示下さい)



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