インフォメーション
2017年5月11日(木)
第5回平日の午後のコンサートの曲目解説を掲載しました。
5月17日(水)
指揮:アンドレア・バッティストーニ
チャイコフスキー/イタリア奇想曲
チャイコフスキー/交響曲第5番
国際派チャイコフスキー
チャイコフスキーは、たびたび西欧を訪れています。中でも多く通ったのは、フランス、スイス、イタリアなど。特にイタリアには、1873、74、77、78、79、80、81、82年……と一時期(越年を含めて)毎年のように滞在しました。何しろ彼がマイホームと呼べる家をロシアに持ったのは、45歳になってから。ちなみに1891年には、ドヴォルザークより早くアメリカにも行っています。しかも西欧で、ブラームス、グリーグ、ドヴォルザーク、マーラー、ドリーブ、フォーレ、ラロ、グノー、マスネなどの作曲家と交友していますから、相当な国際派といえるでしょう。思えば、ピアノ協奏曲第1番とヴァイオリン協奏曲は共に、ロシアの大家から曲を否定され、ドイツ系の奏者によってウィーンとボストンで初演されています。これは単なる偶然なのでしょうか? それに本日演奏される交響曲第5番も、最初に評価されたのはロシアよりも西欧でした。我々が聴くとロシア的に感じるこうした音楽も、地元の人にとってはどこか違和感があった、言い換えれば西欧的な要素が強すぎたといえるのかもしれません。