ホーム > インフォメーション > [特別記事]アンドレア・バッティストーニ、東京フィル2018-19シーズンを語る

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2018年5月14日(月)


東京フィルと、“幻想の旅路”へと出かけよう。

 東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任し、3シーズン目に入ったイタリアの俊英、アンドレア・バッティストーニ。2018-19年のシーズンもオペラの演奏会形式上演からシンフォニーの王道まで、多彩なプログラムを携え日本にやってくる。選曲のポイントや聴きどころについて、バッティストーニにメールでインタビューした。


――新シーズンに用意したメニューを、ご自身はどう描写しますか? タイトルをつけるとしたら、何がふさわしいですか?

 「“幻想の旅路”でしょうか、たぶん。交響楽は私たちを多くの異なる国に誘い、様々のイメージや幻想的な事象を描き、日常生活で得られない生々しい感情や感覚を経験させてくれます。私たちは偉大な作曲家たちの才能に感謝しながら、さまざまな響きの違いがもたらす想像の世界の景色の中を、一緒に旅してゆくのです」


――2018-19シーズンで取り上げる、ロシアのショスタコーヴィチ(5-6月)とリムスキー=コルサコフ(1月)、ウィーンのシューベルト(11月)はクラシック・ファンには定番といえますが、イタリアのボーイトとザンドナーイ、フランスのデュカスはレアものです。どんな理由から、このような対照が生まれたのでしょうか?

 「聴衆のみなさんには、よく知られた曲だけでなく、初演当時は不当に低く評価され、関心の外に置かれた作品にも触れる機会を提供しようと考えました。これらの珍しい曲にもちゃんとした印象があり、たっぷり感動できることは私が請け合います」


――オペラの場合でも、マエストロは『トゥーランドット』(2015年)や『オテロ』(2017年)といった定番と、『イリス(あやめ)』(2016年)『メフィストーフェレ』(2018年)など上演機会の少ない作品を交互に取り上げています。このローテーションには何か、強い方針があるのでしょうか?

 「とてもポピュラーなオペラと珍しいオペラを交互に手がけようと、はっきり意図しています。すべてのお客様に、名作オペラへの新たな視点を発見していただくだけでなく、より広い層のお客様に、真実の美をお届けできるほどの価値がありながら、スタンダードなレパートリーにはなりえなかった作品の世界にも足を踏み入れていただきたいと考えているからです」


――3シーズン目を迎えた東京フィルとの共同作業。今までを振り返っての評価、今後についてなどをお聞かせください。

 「私たちはお客様との良い関係をはぐくみながら、1回1回の演奏会それぞれが忘れがたい体験となるように日々、切磋琢磨しています。東京フィルは技術的にとても高い水準を備えています。これからもよりいっそう、響きの暖かさや色彩感、強いエモーション、あくなき好奇心といったものをシンフォニーとオペラの両分野で発揮できるよう、力を合わせていくつもりです」



――東京フィルの公演に足を運んでいただくお客様へメッセージを。

 「私たちは、音楽の美がもたらす驚くべき“もう1つの旅”に、皆さんとともに出かけるのを心待ちにしています。私たちに同乗するチケット、もちろんお持ちですよね!」




池田卓夫(いけだ・たくお)

早稲田大学政治経済学部政治学科を1981年に卒業し、新聞記者となった。東京や広島、フランクフルトで経済分野を取材。「ベルリンの壁」崩壊から旧東西ドイツの統一を現地から報道。帰国後に音楽担当の編集委員を長く務めた。音楽についての執筆は高校生時代に始め、専門雑誌への寄稿歴は30年を超える。演奏会やオペラ、CDなどの企画、MC(司会)、翻訳、音楽コンクールの審査なども手がける。



アンドレア・バッティストーニ出演 定期演奏会

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5月31日[木]19:00開演
サントリーホール
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6月1日[金]19:00開演
東京オペラシティコンサートホール

ヴァイオリン:パヴェル・ベルマン*

ボロディン/歌劇『イーゴリ公』より“だったん人の踊り”
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番*
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番


11月12日

ロッシーニ/歌劇『アルジェのイタリア女』序曲
ロッシーニ/歌劇『チェネレントラ』序曲
ロッシーニ/歌劇『セビリアの理髪師』序曲
シューベルト/交響曲第8番『ザ・グレート』

11月16日、18日

ボーイト/歌劇『メフィストーフェレ』(演奏会形式)

2019年1月23日、25日、27日

デュカス/交響詩『魔法使いの弟子』
ザンドナーイ/『白雪姫』
リムスキー=コルサコフ/交響組曲『シェエラザード』


公演カレンダー

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