ホーム > インフォメーション > 楽員定年退職のお知らせ ファゴット首席・大澤昌生

2020年5月20日(水)

 ファゴット首席奏者 大澤昌生(1990年入団)は、2020年4月末をもって定年退職いたしました。32年間の長きにわたり、お疲れ様でした。東京フィル定期での最後の出演は、チョン・ミョンフン指揮2月定期演奏会『カルメン』(演奏会形式)でした。今後の更なる活躍をお祈りいたします。

大澤からのメッセージ


Ⓒ三好英輔
 みなさま

 この4月いっぱいで定年退職をしましたファゴット奏者の大澤です。
東京フィルと合併する前の新星日響の時代から、楽員・事務局員のみなさんに支えられながらの32年間を終えることが出来ました。
 しかし、まさかこのような状況下でこの日を迎えるとは、考えもしませんでした。そしてこんな状況だからこそ、今まで一番自分を支えてくれたのは他ならぬ聴衆の方々、貴重な時間とお金を割いて演奏会場に足を運んでくださった方々だったのだと心から実感し感謝しています。
 近頃は自身を振り返ってみることが多くなってきました。そもそもが子供の頃から単なる音楽鑑賞オタクで、ひょんなことからファゴットを手にし、そのままブラバンの経験も無しに音大に入りました。このオタク気質は今まで消えることなく、作曲家や作品の好き嫌いが非常に激しい、プロとしてあるまじき演奏家でした。それで同僚たちにどれだけ迷惑をかけたか…
 そんな私が墓場まで持っていきたい東京フィルでの最高の思い出は、シュトラウス『ばらの騎士』を〜奇しくも三人のSから始まる名マエストロ=Schneider,Soltesz,Schirmerと共に〜3シリーズも参加できたことです。30歳でスイスの小歌劇場オケを辞めて帰国した頃は、日本で『ばらの騎士』のような大作を3度も出来るとは夢にも思っていなかった。これだけで自分が世界で最も幸せな人間だと思ってしまう私を笑ってください。

 今後は、ますます偏った趣味に何の後ろめたさも感じずに、好きな作品を聴いていこうと思っています。
聴衆の皆様、同僚たち、事務局員のみなさん、心から感謝いたします。
どうか感染にはくれぐれも注意なさって、この困難な時期をお互い乗り越えていきましょう。
どうも有難うございました。

大澤 昌生



公演カレンダー

東京フィルWEBチケットサービス

お電話でのチケットお申し込みは「03-5353-9522」営業時間:10:00~18:00 定休日:土・日・祝