インフォメーション
2019年1月23日(水)
東京フィル首席指揮者バッティストーニと
コンサートマスター 三浦章宏 ©K.Miura
2019年の幕開けを飾る1月定期は、首席指揮者アンドレア・バッティストーニとの「おとぎ話」プログラム。デュカス『魔法使いの弟子』、ザンドナーイ『白雪姫』、そしてリムスキー=コルサコフ『シェエラザード』、どれも、老若男女から愛される物語から生まれた色彩豊かな管弦楽作品です。管・弦・打、どの楽器も見せ場たっぷり。今回のコンサートマスターは三浦章宏。コンサートマスターのソロが有名な『シェエラザード』でも妙技を聴かせます。今年は「東急ジルベスターコンサート」でもマエストロと共演、年越しを共にしました。
<2019年1月定期の公演情報はこちら。>
バッティストーニ指揮2017年5月定期より
©上野隆文
――リハーサル初日を終えて印象はいかがでしたか?
「マエストロ、絶好調じゃないでしょうか。今回のプログラムは、何と言っても音楽にストーリーがあるというのがポイント。音が物語の世界を浮かび上がらせる演奏をお届けできると思います。オペラで育ったマエストロならではの、“物語を語る力”がよく活きるプログラムになっています。
マエストロはオペラで育った指揮者だけあって、そういうものが得意ですね。オペラのように、物語を非常にドラマチックに、表現の幅広くオーケストラをドライブする、そういう力があり、今回もそのようなアプローチでできると思います。ザンドナーイ『白雪姫』は知られざる作品ですが、『魔法使いの弟子』や『シェエラザード』は我々オーケストラにとっては定番のレパートリー。そこに、マエストロならではの非常に大胆なアプローチも入って、音楽をドラマチックに仕上げる手腕が思う存分発揮できるプログラムです。東京フィルもオペラやバレエが得意というところで、双方の得意分野が存分に響き合う、マエストロのいいところが存分に出る、そういうプログラムだと思います」
――コンサートマスターとしては有名なソロがある『シェエラザード』も聴きどころですね。
「やはり……物語、シェエラザードのテーマですから、それをいかに表現するかを考えますね。ヴァイオリンの名人芸を聴かせるというソロではなく、シェエラザードというキャラクターの“王様を諭して物語を語る”というキャラクターを、あのソロで表現しければいけないのです。協奏曲ともやはり異なっていて、協奏曲のソリストは自分が思う世界を100%出せばいいのですが、オーケストラのソロは全体の作品の中の一部分で、いきなり一人になって曲の世界を担わなければならない。緊張もしますし、自分の表現ではなく、マエストロと一緒に作っている音楽作品の中の一部分を担いつつ、その中で奏者のキラリと光る部分を表現できれば、ということですね。それは管楽器のソロも同じだと思います。そこに、ソロならではのワクワクするような何かを感じていただけるような演奏をしなければと思います。今回はマエストロ・バッティストーニが素晴らしいので弾きやすい。毎回、マエストロの作る音楽は素晴らしいです」
――得意分野を同じくするマエストロと東京フィルとのコンビネーションをお楽しみいただけると。
「マエストロはオペラの出身ということもあって、その指揮には音楽で最も大事なことの一つである『歌』があります。これは本当に重要なこと。さらにマエストロとの共演は、われわれ奏者を自由にしてくれます。最近は練習がどんどん緻密になってきてはいるのですが、いい意味でおおらかというか、奏者にネガティブなプレッシャーがかからない。マエストロの人間性なのか、指揮者としての信念なのか……。
僕も思うのですが、コンサートマスターというのは人を統率するというイメージがあるけれど、そうではなく、みんながいい方向に向けるように持っていくということが大事。オーケストラの音楽は人数も大勢いて複雑ですけれど、その中心に幹が必要。それも細い幹ではなくて、安心してみんなが寄ってくるような、一本の太い幹をなすようなものを作らないといけないと思っています。ちょっと抽象的ですが、僕自身はそう思ってやってきていまして、マエストロもそれを実証しているように思います」
――最後に、お客様にメッセージをお願いします。
「マエストロ・バッティストーニと東京フィルの新しい年の始まりを飾るにふさわしいプログラムです。双方の得意なストーリー性のある音楽を、生き生きとした音楽としてお届けできるのではないかと思います」
――ありがとうございます。楽しみです。
マエストロ・バッティストーニとのカーテンコール。
©上野隆文
[関連記事]
・【1月定期】1月定期演奏会の曲目解説
・【2019年1月定期演奏会】アンドレア・バッティストーニ、ザンドナーイを語る
・【2019年1月定期演奏会】ファゴット首席奏者、チェ・ヨンジンが語る “若き魔術師”バッティストーニと贈る「おとぎ話」プログラム
・【19年4月定期】バッティストーニが最も愛するチャイコフスキー
【2019年1月定期演奏会】 (1回券好評発売中)
バッティストーニが紡ぎ出す、色鮮やかな物語。
第914回サントリー定期シリーズ 当日券あり
2019年1月23日[水] 19:00開演(18:30開場)
サントリーホール
第122回東京オペラシティ定期シリーズ
2019年1月25日[金] 19:00開演(18:30開場)
東京オペラシティ コンサートホール
第915回オーチャード定期演奏会
2019年1月27日[日] 15:00開演(14:30開場)
Bunkamura オーチャードホール
曲目
デュカス/交響詩『魔法使いの弟子』
ザンドナーイ/『白雪姫』
リムスキー=コルサコフ/交響組曲『シェエラザード』