交響曲の“ニックネーム”の意味は何？

　標題＝内容を表すタイトルの付いた有名交響曲は、ベートーヴェンの第６番『田園』が最初（マイナー作曲家にはもっと古い曲もあります）。彼以前のハイドンやモーツァルトの交響曲のタイトルは、基本的に他人が名付けた“ニックネーム”です。モーツァルトにも、第31番『パリ』、第35番『ハフナー』、第36番『リンツ』、第38番『プラハ』、第41番『ジュピター』とニックネームが付いた交響曲が５曲あります。この内、パリ、リンツ、プラハは初演された町、ハフナーは原曲となったセレナードの依頼者の名前で、いずれも音楽自体とは全く関係がありません。したがって、ギリシャ神話の最高神の名が付けられた『ジュピター』は、曲のイメージと関連した唯一の例。その点で、未来に通じる作品と言えなくもありません。

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