ホーム > インフォメーション > 【特別記事】アンドレア・バッティストーニ、充実の近況を語る

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2025年8月22日(金)

9月定期演奏会

今年1月、イタリアを代表する歌劇場の一つであるトリノ王立歌劇場の音楽監督に就任したアンドレア・バッティストーニ。今年6月、就任後第1作となるジョルダーノの『アンドレア・シェニエ』の公演も佳境なマエストロを現地に訪ね、近況を伺った。
(聞き手:加藤浩子)





 「トリノ王立歌劇場とは以前からいい関係にありました。前に音楽監督を務めていたジャナンドレア・ノセダのアシスタントもしましたし、彼の紹介で指揮もできるようになりました。3年前に総裁が代わり、音楽監督という話が出てきて、2年前から関係を深めてタイミングをうかがってきたのですが、この1月に正式に音楽監督に就任しました。オーケストラも合唱もとてもレベルが高く、トリノの街全体の特徴でもあるのですが、スタッフも含めて性格が真面目で集中力が高く、とてもやりやすいです。この劇場のレベルアップに努めていきたい。6月に上演された『アンドレア・シェニエ』(新制作)は、音楽監督として初めて指揮する作品でした。本作を振るのは初めてですが、素晴らしいメロディと洗練されたオーケストレーションに溢れている大好きなオペラです。演出のジャンカルロ・デル=モナコは本作を知り尽くしていて、とても勉強になりました」。



 「私は『アンドレア・シェニエ』のようなヴェリズモ・オペラが大好きで、この時代のマイナーなオペラがあまり取り上げられていないと感じていることもあり、トリノの劇場でヴェリズモ・オペラのシリーズをやることにしました。ヴェリズモ・オペラは古典的なオペラよりストーリーが親しみやすいし、リズムも映画的で、私たちの感性に近いのではないでしょうか。  秋からの新しいシーズンの開幕には、ヴェリズモ・オペラの名作であるザンドナーイの『フランチェスカ・ダ・リミニ』を上演します。以前東京フィルと計画していて、コロナ禍で流れてしまった作品です。その後、歌劇場のオーケストラ、合唱と一緒に、フランスのリヨンに、久しぶりの外国ツアーをやります。いつか日本にも行けたら嬉しいですね」。



――5月にはヴェルディ『リゴレット』でパリオペラ座デビューを果たしました。


 「パリだけでなくフランスで指揮したのは初めてで、フランス・デビューです。ゲオルグ・ガグニーゼ(バリトン)、ディミトリー・コルチャック(テノール)など素晴らしいキャストで、ほぼ完売の盛況でした。聴衆の反応も熱狂的で、すごく幸せなデビューになりました。これからもパリには出ることになりそうです。日本デビューもヴェルディの『ナブッコ』でしたし、ヴェルディは幸運を運んでくれますね」



――作曲家としても新しい展開が。


 「来シーズンは、ベルギーのリエージュ歌劇場の『コンポーザー・イン・レジデンス』も務めます。私はストーリーを語ったり、オーケストラや歌手と共演したり、観客とコンタクトするのが好きです。頭で作曲するタイプではありません。もちろん指揮者の仕事が最優先ですが、指揮とは違う観客との関係性のために作曲していきたいと思っています」。



今年1月より音楽監督に就任したトリノ王立歌劇場での『アンドレア・シェニエ』カーテンコールより
今年1月より音楽監督に就任したトリノ王立歌劇場での『アンドレア・シェニエ』カーテンコールより
(6月28日公演/提供:加藤浩子)


9月定期演奏会

9月定期
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9月11日[木]19:00開演
サントリーホール
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9月12日[金]19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール
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9月14日[日]15:00開演
Bunkamura オーチャードホール

指揮:アンドレア・バッティストーニ
(東京フィル 首席指揮者)


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ピツェッティ/夏の協奏曲
R. シュトラウス/『アルプス交響曲』


【聴きどころ】首席指揮者アンドレア・バッティストーニが待望のリヒャルト・シュトラウス『アルプス交響曲』を取り上げる。大編成になるほどその実力を発揮するバッティストーニ。オーケストラを存分に鳴らし、オペラ指揮者として磨かれた表現力で作り上げる標題音楽に期待したい。マエストロがレスピーギ、カゼッラに続いて紹介するのは、イタリアのいわゆる「80年世代」のピツェッティ。かつてカラヤンもその才能に注目していた作曲家。「夏の協奏曲」(1928)は、東京フィルが日本初演した、所縁のある作品。管弦楽のための3楽章の協奏曲だが、ピツェッティの田園交響曲と言われることも。自然をキーワードにした2作品のカップリングはバッティストーニならではのこだわりだ。
文:柴辻純子(音楽評論家)

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