【聴きどころ】シーズンを締めくくるのは名誉音楽監督チョン・ミョンフン。近年、演奏会形式によるヴェルディのオペラで取り組んできたシェイクスピアの戯曲から「ロミオとジュリエット」に基づく2作品の間に、小曽根真がソリストを務める、ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」をはさむ華やかなプログラム。バーンスタインの『ウエスト・サイド物語』より「シンフォニック・ダンス」は、リズムが躍動し、エネルギーが爆発する。プロコフィエフのバレエ音楽『ロメオとジュリエット』は、東京フィルと過去にも取り上げて絶賛を博した。20世紀に誕生したバレエとミュージカルの2つの名曲。そのドラマティックな世界をどのように描くのか楽しみだ。
文:柴辻純子(音楽評論家)
【特集】
▷ 【特別記事】名誉音楽監督チョン・ミョンフン&東京フィル2025年10月定期演奏会に寄せて(文=中村真人)
思えば、1995年の指揮者としての初来日は、チョン・ミョンフンにとって音楽家としての転機ともいえる出来事だった。それまで日韓の不幸な歴史へのわだかまりを抱えていた彼が、日本の聴衆の大喝采を前に「ついに受け入れられたとの手応えに涙が出てきた」と後に語っているからだ。あれから30年、時間をかけて共同作業を重ねてきた東京フィルとチョンが、ヨーロッパ・ツアーでその成果をどのように開花させるのか、いまから楽しみでならない。
【掲載記事】
▷ ぶらあぼONLINE(8月29日付)欧州ツアー直前!チョン・ミョンフンと小曽根真が東京フィル定期で響かせる20世紀傑作の魂(文=飯尾洋一)
10月定期演奏会
10月5日[日]15:00開演
Bunkamura オーチャードホール
10月16日[木]19:00開演
サントリーホール
10月20日[月]19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール
指揮:チョン・ミョンフン
(東京フィル 名誉音楽監督)
ピアノ:小曽根 真*
バーンスタイン/『ウエスト・サイド物語』よりシンフォニック・ダンス
ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルー*
プロコフィエフ/バレエ音楽『ロメオとジュリエット』より
東京フィルヨーロッパ・ツアー2025(10/28~11/11)プログラムA
「東京フィルハーモニー交響楽団 ヨーロッパ・ツアー2025」の開催について
https://www.tpo.or.jp/information/detail-europetour2025.php
主催:公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団
助成:
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))| 独立行政法人日本芸術文化振興会
協力:Bunkamura(10/5公演)



















