ホーム > インフォメーション > 【特別記事】2月定期演奏会聴きどころ 名誉音楽監督チョン・ミョンフンとおくるドイツ・ロマンの響き

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2026年1月14日(水)

2月定期演奏会

2026シーズン2月定期演奏会は、昨秋の東京フィルのヨーロッパ・ツアーでも長い時間を共にし、各地で喝采を浴びた名誉音楽監督チョン・ミョンフンが登場。欧州の記憶を辿るかのようなドイツ・ロマン派プログラムをお届けします。


ヨーロッパ・ツアーを経て深まる円熟


 2025年秋のヨーロッパ・ツアーではストラヴィンスキーにプロコフィエフと、20世紀のモダンな作品群で切れ味よい快演を聴かせた名誉音楽監督のチョン・ミョンフン。2026年2月の定期シリーズ/定期演奏会では、打って変わってドイツ・ロマン派の名品に挑む。
 これまで東京フィルではブラームスやマーラーは何度も取り上げてきたが、ウェーバー、ブルッフ、メンデルスゾーンという並びは目新しい。しかし、そこはドイツの名門オーケストラで複数のポストを務めた百戦錬磨のマエストロのこと、引き出しの多さと深まる円熟で、いちだんと風格を増した力演に期待がふくらむ。
 まずウェーバーの歌劇『魔弾の射手』序曲で、作曲家没後200年の節目を祝う。世界各地の歌劇場で経験を積んだマエストロにとって、19世紀のロマンティック・オペラを確立したウェーバーの傑作歌劇は、手の内に収めたレパートリーのひとつ。東京フィルでも、スペシャル・アーティスティック・アドバイザーに就任した2001年の「オペラ・コンチェルタンテ」シリーズで、さっそく取り上げた。
 私はこの全曲演奏を会場で聴いた。要所でオーケストラを雄弁にドライブし、まるで実際の舞台を見るかのようにリアルなドラマ展開に驚かされたのを思い出す。だからマエストロが振るオペラの序曲やバレエ音楽には、全幅の信頼が置ける。いくつも現れる劇中の名旋律をどう扱って、東京フィルのDNAにもあるオペラティックな感興を盛り上げていくのか、じつに興味深い。


ヨーロッパ・ツアー 2025初日、ベルリンのフィルハーモニーにて
ヨーロッパ・ツアー 2025初日、ベルリンのフィルハーモニーにて
©Evgenia Gapon




ミュンヘン国際音楽コンクールの覇者、岡本誠司が登場


岡本誠司
難関ミュンヘン国際音楽コンクールを
制した岡本誠司が登場
©Yuji Ueno

 つづくブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番も、ロマン派の薫り高い名品。マエストロと東京フィルは同じ2000年代、ジュリアン・ラクリンや樫本大進、ハン・ソジンといった名手と、この曲を共演している。今回はそれ以来、久々の実演になるという。
 独奏は若手の実力者、岡本誠司。東京藝大からベルリンのハンス・アイスラー音大修士課程を経て、プロが学ぶクロンベルク・アカデミーへ進み、ドイツで研鑽を積んできた。2021年には難関で知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝を果たし、名実ともに力量が認められた。バロック時代のピリオド奏法にも通じた二刀流として、活躍が続く。
 したがってドイツ・ロマン派のコンチェルトは、岡本にとってもストライク・ゾーンのど真ん中。2025年も、この曲やブラームスの協奏曲を国内の他団体で共演しており、レパートリーの中核をなしている。マエストロ チョンの万全なバックを得て、本場仕込みのセンスを存分に披露してくれるのを楽しみたい。
 ブルッフには「スコットランド幻想曲」というヴァイオリンと管弦楽の逸品もある。演奏会後半の交響曲との、そこはかとない連関を、マエストロは意識したのかもしれない。



緻密で陰影あふれるメンデルスゾーン『スコットランド』


メンデルスゾーン
早熟・夭折の天才であったメンデルスゾーン。
『スコットランド』は生前に出版された最後の交響曲

 そしてメインがメンデルスゾーンの交響曲第3番『スコットランド』。作曲者が現地を訪れた際に得た霊感をもとに作られた傑作だ。第1楽章冒頭の憂愁に満ちた主題を耳にするだけで、特有のほの暗いロマンティシズムに引き込まれる。
 マエストロは同じメンデルスゾーンの交響曲でも、明朗な第4番『イタリア』は録音があるほど取り上げる機会が多いようだが、第3番は東京フィルでは初共演となる。曲の構成は緻密で、陰影あふれるメロディーと共に各楽章の性格が作り込まれている。その真髄を、的確な棒さばきで明らかにしていくだろう。
 参考になるのは、マエストロが名誉指揮者を務めるイタリアのスカラ・フィルと2025年9月に来日した際に披露したブラームスの交響曲第4番だ。作曲者晩年の諦観を表す後期ロマン派の名作で際立っていたのは、指揮者の年輪を示す豊かな風格と根底にある歌謡性。楽団の性質も手伝ったよく歌う演奏で、翳りの深い旋律美を手厚く引き出していた。
 今回のお相手は、やはりオペラを得意とする東京フィルだけに、『スコットランド』でも同様に、目配りの利いた歌ごころが全編で発揮されそうだ。





宮下博(みやした・ひろし)/音楽ジャーナリスト。1964年東京生まれ、長野県育ち。早稲田大学政治経済学部卒。全国紙の文化部で音楽担当を長年務め、系列の楽団事務局(公益財団法人)への出向などを経験。現在はフリーランスで活動。オーディオ評論も手がける。ミュージック・ペンクラブ・ジャパン監事。


2月定期演奏会

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2月18日[水]19:00開演
サントリーホール
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2月23日[月・祝]15:00開演
Bunkamura オーチャードホール

指揮:チョン・ミョンフン
(東京フィル 名誉音楽監督)
ヴァイオリン:岡本誠司*


特設ページはこちら


ウェーバー/歌劇『魔弾の射手』序曲
〈ウェーバー没後200年〉
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番*
メンデルスゾーン/交響曲第3番『スコットランド』


1回券料金

  SS席 S席 A席 B席 C席
チケット料金

¥15,000

¥10,000
(\9,000)

¥8,500
(\7,650)

¥7,000
(\6,300)

¥5,500
(\4,950)

※( )…東京フィルフレンズ、WEB優先発売価格(SS席は対象外)



主催:公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))| 独立行政法人日本芸術文化振興会
協力:Bunkamura(2/23公演)

長岡特別演奏会

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2月21日[土]14:00開演
長岡市立劇場 大ホール

指揮:チョン・ミョンフン
(東京フィル 名誉音楽監督)
ヴァイオリン:岡本誠司*


ウェーバー/歌劇『魔弾の射手』序曲
〈ウェーバー没後200年〉
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番*
メンデルスゾーン/交響曲第3番『スコットランド』


チケット料金

  S席 A席
チケット料金

¥8,000

¥6,000

※東京フィルチケットサービスでのチケットのお取扱いはございません。



主催:公益財団法人 長岡市芸術文化振興財団
共催:NST新潟総合テレビ
協賛:北越コーポレーション(株)、(株)第四北越銀行

公演カレンダー

       

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