ホーム > インフォメーション > [特別記事]アルメニア探訪~アルメニア・日本外交関係樹立30周年 | 7月定期演奏会

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2022年6月24日(金)


 2022年はアルメニア共和国と日本が外交関係を樹立して30年の記念の年にあたります。作曲家アラム・ハチャトゥリアンは故郷アルメニアの民族音楽を素地に数多くの作品を生み出し、国民的な作曲家として敬愛を集めました。今回の定期は、そのハチャトゥリアンの生誕100年を記念して創設され、国をあげて開催されている「ハチャトゥリアン国際コンクール」指揮部門2021年の覇者、出口大地氏によるオール・ハチャトゥリアン・プログラム。ここでは、そんなハチャトゥリアンの故郷アルメニアをご紹介します。




| アルメニアとアルメニア人


4世紀初頭にキリスト教が世界で初めて国教とされた際に
建てられた世界最古の教会、エチミアジン大聖堂

(提供=駐日アルメニア共和国大使館)

 アルメニア人の故郷は黒海とカスピ海に挟まれた地域で、古代にはアルメニア諸王国が栄えた。また、アルメニアは4世紀初頭に世界で初めてキリスト教を国教化したとされる。アルメニア語は印欧語族の中で独自の一語派を成し、5世紀初頭にメスロプ・マシュトツ(362-440)によって考案されたアルメニア文字は改良を重ねながら現在も使用されている。また、古典アルメニア語を典礼言語とするアルメニア使徒教会は、非カルケドン派の宗派として独自の発展を遂げた。

 古来から商業分野で優れた能力を発揮してきたアルメニア人たちは、商機を求めて世界各地に移住したため、国外にも商人の居留地を起源とする共同体が形成された。


アルメニアの歴史的シンボル、アララト山
©Eva Mencnerova Dreamstime.com

 11世紀に古代アルメニア王国がビザンツ帝国に滅ぼされた後、アルメニアの領域はオスマン帝国やサファヴィー朝などの勢力に支配されることとなった。1829年のトルコマンチャーイ条約によって、現在のアルメニア共和国の領域に相当する東アルメニアがカージャール朝からロシア帝国に割譲されて以降、主なアルメニア人居住地域は、ロシア帝国とオスマン帝国によって東西に二分されることになった。オスマン帝国末期にはアルメニア人ジェノサイドが発生し、多くの者が犠牲となったほか、生存者たちは中東や欧米に移住した。このことから、現在アルメニア国外に暮らすアルメニア人の中には、この事件の生存者の子孫が多い。なお、ロシア領であった東アルメニアは、ロシア革命後、短期間の独立期(アルメニア第一共和国:1918-1920)を経て、ソヴィエト連邦に加盟したが、1991年に独立を果たし、現在に至っている。  アルメニアの首都エレヴァンからは、旧約聖書の中でノアの方舟が漂着したとされるアララト山が望まれる。この2つの峰をもつ山はアルメニアのシンボルの一つとして国章に配されている。また、この山の名を冠したアルメニア産ブランデー「アララト」は世界的に有名で、ウィンストン・チャーチルが愛飲したことで知られる。なお、歴史的な要因により、アララト山は現在トルコ領内にある。

| 日本のアルメニアとの関わり

 アルメニアは日本から心理的にも地理的にも遠く離れているが、20世紀以降、関係も生まれている。戦前に横浜に在住し、商社を営んでいたアルメニア人女性のディアナ・アブガルは、当時のアルメニア第一共和国の名誉領事として、ジェノサイドを逃れてコーカサスからシベリア鉄道経由で日本に到着したアルメニア人難民の欧米への移住を支援した。また、実業家の渋沢栄一もアルメニア人難民支援のために基金を設立した。さらに、日本で一般的なメロンパンは、帝国ホテルが満州から招いたアルメニア人パン職人のイヴァン・サゴヤンによって考案されたと言われている。

| ハチャトゥリアン国際コンクールとアラム・ハチャトゥリアンの家、博物館


ハチャトゥリアンの銅像が立つ首都エレヴァンのオペラハウス前
©Natalia Volkova Dreamstime.com

 今回、指揮を担当する出口大地氏が昨年度に優勝を果たしたハチャトゥリアン国際コンクールは、ハチャトゥリアン生誕100周年を記念して2003年に創設された。作曲家の誕生日である毎年6月6日に合わせてエレヴァンで開催され、指揮のほかピアノ・チェロ・ヴァイオリン(過去には声楽も)の計4部門で競われている。
 また、エレヴァンには作曲家ハチャトゥリアンに関係する博物館も存在する。博物館の建物はかつてハチャトゥリアンの長兄一家が暮らしていたもので、ハチャトゥリアン自身もエレヴァン訪問の際にはしばしば滞在していたという。作曲家の死後の1982年に博物館として開館し、彼にまつわる楽器や譜面、書簡その他が展示されている。また、併設されているホールでは、作曲家に関連する様々な催し物が開かれている。



【特別記事】

 ▷ 【特別記事】7月定期の聴きどころ アルメニアと日本の友情の架け橋 俊英が紡ぐオール・ハチャトゥリアン・プログラム(文=林 昌英)

7月定期演奏会

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7月7日[木]19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール
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7月10日[日]15:00開演
Bunkamura オーチャードホール
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7月12日[火]19:00開演
サントリーホール

指揮:出口大地
(2021年ハチャトゥリアン国際コンクール第1位、クーセヴィツキー国際指揮者コンクール最高位入賞)
ヴァイオリン:木嶋真優*

曲目解説(PDF)

ハチャトゥリアン/バレエ音楽『ガイーヌ』より
ハチャトゥリアン/ヴァイオリン協奏曲*
ハチャトゥリアン/交響曲第2番『鐘』


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主催:公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)| 独立行政法人日本芸術文化振興会
後援: 駐日アルメニア共和国大使館
日本・アルメニア外交関係樹立30周年記念

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