
【聴きどころ】7月はマエストロ・チョン。折に触れ取り組んできたオペラの演奏会形式上演で、今回はヴェルディ後期の傑作『オテロ』(1887)に挑む。2022年10月定期のヴェルディ最後のオペラ、同じくシェイクスピアに基づく『ファルスタッフ』を指揮するのは全く初めてだったが、日本での『オテロ』は2013年4月のフェニーチェ歌劇場(ヴェネツィア)とのツアー以来10年ぶり。舞台上演と演奏会の違いを超え、過去10年間のヴェルディ指揮者としての円熟をつぶさに味わう好機だろう。マエストロ・チョンが指揮すると、どのオペラも生き物のように動き出し、最初から最後まで一気に突き進む。(文:池田卓夫)

【特集】
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『オテロ』のあらすじ
ヴェネツィア共和国の将軍オテロは、若く美しい妻デズデーモナの不貞を疑い始める。旗手のイアーゴが、オテロを陥れるために、デズデーモナのハンカチをオテロの部下カッシオの家に密かに持ち込んだのだ。疑いを吹き込み、ねつ造した証拠で相手を信じ込ませるイアーゴの手口にまんまとはまったオテロは、デズデーモナを愛するがゆえに、疑念と嫉妬でがんじがらめになっていく。ほくそ笑むイアーゴ。純真なデズデーモナは、自らの最期を予見して「柳の歌」を歌い、愛する夫オテロの手にかかって息絶える。侍女エミーリアから全てを明かされたオテロは絶望し自害する。

7月定期演奏会
7月23日(日)15:00開演
Bunkamura オーチャードホール
7月27日(木)19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール
7月31日(月)19:00開演
サントリーホール
指揮:チョン・ミョンフン(東京フィル 名誉音楽監督)
オテロ(テノール):グレゴリー・クンデ
デズデーモナ(ソプラノ):小林厚子
イアーゴ(バリトン):ダリボール・イェニス
ロドヴィーコ(バス):相沢 創
カッシオ(テノール):フランチェスコ・マルシーリア
エミーリア(メゾ・ソプラノ):中島郁子
ロデリーゴ(テノール):村上敏明
モンターノ(バス):青山 貴
伝令(バス):タン・ジュンボ
合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
ヴェルディ/歌劇『オテロ』
全4幕・日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
原作:ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』
台本:アッリーゴ・ボーイト
公演時間:約2時間50分(休憩含む)
1回券料金
SS席 | S席 | A席 | B席 | C席 | |
---|---|---|---|---|---|
チケット料金 | ¥15,000 |
¥10,000 |
¥8,500 |
¥7,000 |
¥5,500 |
※( )…東京フィルフレンズ、WEB優先発売価格(SS席は対象外)
主催:公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))| 独立行政法人日本芸術文化振興会(7/31公演)

公益財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団(7/31公演)
後援:日本ヴェルディ協会、日本シェイクスピア協会
協力:Bunkamura(7/23公演)